Oラインとは肛門周辺の部位を指す言葉です。Oラインに生えた毛は、放置すると蒸れやかゆみの原因になるほか、排泄の際に拭ききれない便が付着するため、近年男性にもOラインの毛を処理する方が増えています。一方で、Oラインは自分で直接見られないデリケートな部位であり、自己処理の際には注意が必要です。
この記事では男性に向けて、Oラインの処理方法についての手順や、自己処理のポイント、またサロンなどで減毛施術を受ける前の注意点を解説します。
記事監修者情報
- 山下真理子
- 専門科目
- 皮膚科
- 経歴
- 京都府立医科大学卒業後、医師に。主に美容医療に従事するが、医療専門学校にて講師を務めて、医療教育にも従事する。
- 資格
- 医師
1.Oラインを処理する主な方法
デリケートゾーンであるVIOの毛を処理すると見た目に清潔感があり、蒸れやかゆみの軽減などさまざまなメリットがあります。特にOラインの毛を処理した場合、排泄物が肛門周辺に残りにくくなり、衛生的な状態を保てる点が大きなメリットです。そのため、自分が将来的に介護される立場になることを想定して、Oラインの毛を処理する方もいます。
Oラインの処理方法について、代表的な2つを解説します。
1-1.自己処理する
ムダ毛処理の中で一番手軽なのが、ハサミやシェーバーなどを使って自分で処理する方法です。気になった時にいつでも処理でき、コストもほぼかかりません。しかし、表面の毛を剃っても次の日には毛が伸びてきてチクチクし始めるため、毛がない状態を維持するには毎日剃らなければなりません。
さらにOラインは自分の目で確認できず、誤って切ってしまう可能性が高い部位です。傷つけると排泄物の付着などで雑菌が入り、炎症を起こすリスクもあります。
1-2.脱毛サロンやクリニックで処理する
脱毛サロンやクリニックでVIO脱毛を施術してもらう方法なら、Oラインを傷つけることなく減毛できます。脱毛サロンで光脱毛やニードル脱毛などの脱毛器を用いて施術すれば、約10回の施術でVIO脱毛が完了します。
自己処理と比べて費用はかかるものの、安全にOラインの減毛を行えるのがメリットです。また、新たに毛が生えづらくなり、一度処理すれば長期的に再度脱毛する必要がない点も自己処理より優れています。
2.男性のOライン処理のやり方
脱毛サロンでOライン減毛をする場合、事前に体毛処理が必要なケースがあります。ただし、脱毛サロンでOラインを減毛する際に、Oラインの事前処理をサロン側で行ってくれる店舗も存在します。「傷つけそう」「自己処理は不安」という場合は処理不要の場所を選ぶと安心です。
その上で、自分でOラインを処理したい方に向けて、男性がOライン処理を自宅でスムーズに行う処理方法を紹介します。
2-1.Oライン処理に使う道具をそろえる
まずはＯラインの処理をスムーズに行うために必要なアイテムをそろえましょう。
| 道具名 | 特徴 |
|---|---|
| 電気シェーバー | VIO専用の電気シェーバーは部位にあわせたアタッチメントがあり、ヘッドが小さいため、Oラインのお手入れがしやすいのがメリットです。防水タイプなら浴室で使用可能です。 |
| ハサミ | 毛を短く切るときに使用します。大きなハサミの場合、太ももに刃先が当たってしまうため、小さめのサイズがベストです。刃の部分は使用前に消毒しておきましょう。 |
| ヒートカッター | 電気を使用した熱で毛を焼き切ります。毛先が丸くなるため、カットした後のチクチク感を和らげる効果があります。 |
| 保湿剤 | Oラインは非常にデリケートな部位です。自己処理後は特に敏感になるため、処理後に保湿剤を使用して保護します。アルコール不使用のローションやクリームがベストです。 |
| 鏡 | Oラインは目で確認できない部位のため、自己処理の際には鏡が必要です。 |
後から「道具がない」と慌てないように、道具を手元にすべてそろえてから自己処理を行いましょう。
2-2.風呂に入って体を温める
Oラインの自己処理がやりやすいように、事前に入浴で体を温め、肌を柔らかくする肌を柔らかくするのが効果的です。体を温めると血行がよくなり、皮膚も伸びやすくなります。また、お風呂上がりに体を清潔にすれば、衛生的に自己処理ができます。
2-3.鏡にOラインを映す
すねや腕など、見える部分の毛を自己処理する場合は目で確認できますが、Oラインは覗き込んでも目で確認することは困難です。無理のない姿勢で自己処理するために、鏡にOラインを映しましょう。
まず、持ち運びできる鏡を用意し、床に置きます。鏡をまたいでしゃがむと鏡にOラインが映ります。Oラインがしっかりと確認できる大きさの鏡を用意し、しゃがんだ時にも無理なく見えるような位置に設置しましょう。
スタンドが付いているタイプの鏡を使う場合、床に置いたときに不安定になるものは向いていません。
2-4.余分な毛をハサミで切ってから剃り始める
Oラインの毛は長いままでは、電動シェーバーできれいに剃れません。そのため、まずハサミを使って慎重に短く切ります。電気シェーバーの中でもVIO専用の電気シェーバーは初心者でも扱いやすく、カミソリと比べて安全に毛を剃れるのでおすすめです。シェーバーを使う際には、毛の流れる方向に沿って動かせば、デリケートな部分を傷つけず毛を剃れます。
つるつるにせずにある程度の毛を残したい場合には、ヒートカッターを利用しましょう。ヒートカッターは熱で毛先を焼き切る道具です。ヒートカッターを使うと、毛先が丸くなるため、チクチクしにくく不快感を軽減できます。
剃り終わったらOラインを冷水で冷やし、仕上げにアルコール不使用のローションやクリームで保湿しましょう。
3.Oラインを自己処理するときのポイント
Oラインは肛門周りのデリケートゾーンですが、自己処理後はさらに敏感になっています。肌トラブルなどを引き起こさないためにも、Oラインの毛を自分で剃った後に押さえておきたい以下のようなポイントがあります。
・VIO専用の保湿剤を利用する
自己処理後にうるおいを与えるために使う保湿剤は、VIO専用のものがおすすめです。普段顔や体に使っている保湿剤をOラインに使用すると刺激を感じる場合があります。VIO専用の保湿剤でも抗炎症成分入りのものなら、自己処理後に肌荒れや炎症が気になる人に適しています。
・毛抜きやカミソリを使わない
毛の処理で使われる毛抜きやカミソリはOラインには使わないようにしましょう。自己処理の際に刃先が肌に触れたり、ムダ毛を引っ張ったりすると肌に負担が加わり、メラニン色素が生成されます。メラニン色素はOラインの黒ずみの原因となることからおすすめできません。Oラインはデリケートな部位のため、普段使用している毛抜きやカミソリを使い回さず、VIO専用の道具を揃えて使用前は消毒しましょう。
4.サロンで減毛してもらう前の注意点
脱毛サロンでOラインを減毛したい場合は、避けたいポイントがいくつかあります。
ブラジリアンワックスや除毛クリームを使う自己処理は肌にダメージを与え、脱毛サロンで減毛施術が受けられない場合があるため避けましょう。毛抜きを使った自己処理は毛根がなくなり、脱毛器が反応せず脱毛効果が十分に発揮されません。次の施術は毛が生えてくるまでできなくなります。
また、減毛を行う前に、Oラインに傷や痔があると減毛手術を受けられません。排泄時にOラインを拭きすぎたり、過度に自己処理を行ったり、ケアが不足していたりすると痔や炎症のもとになります。デリケートな部位であると意識し、減毛施術を受ける前は特にケアに注意することが大切です。
まとめ
Oラインを処理する方法には、自己処理とVIO脱毛施術の2種類があります。サロンでOラインの脱毛を受ければ、Oラインを傷つけることなく減毛できるためおすすめです。
Oラインを自己処理する場合、電気シェーバーやハサミ、保湿剤などの道具をそろえた上で、風呂に入って体を温め、皮膚を柔らかくしましょう。続いて鏡を使ってOラインを映し、余分な毛をハサミで短く切ってから、電気シェーバーを使い、毛の流れに沿って毛を剃ります。最後に、Oラインを冷水で冷やし、保湿クリームなどを塗れば自己処理は完了です。
処理を行う際には、毛抜きやカミソリの利用は避け、VIO用の保湿剤を使うことで炎症などが起きるリスクを抑えられます。また、Oラインに炎症や傷があれば減毛施術を受けられないため、肌にダメージを与える自己処理方法は避け、十分にケアを行いましょう。
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